この社会の基盤となるのは家庭であり、家族の和や協調性を深めるということからも、
神棚(宮形・神殿)をおまつりし先祖にも 手を合わせるということは大切なことなのです。
自分たちの生命を支えてくれている目に見えない働きを感じながら、神さまや祖先のお陰で生かされ今を生きていることを実感し、
その恩恵に感謝の祈りを捧げることが「家庭のまつり」なのです。
神棚(宮形・神殿)と御神札(おふだ)の祀り方
・神棚(宮形・神殿)とは
神棚と聞いて想像されるのは、御神札をお祀りしているお社だと思いますが、正確には神棚とはそのお社をのせる棚であり、お社は宮形または神殿と言います。
ご家庭をお守りしていただく神棚(宮形・神殿)は、家の中で最も清らかな場所を選び、
神社で戴いてきた御神札をおまつりする神聖な場所です。
この様な風習は昔、伊勢の神宮の神官達が神宮の御神札を
全国各地に頒布したことから始まったとされています。
もともと我が国は遠い昔より農耕を始め、自然の中のあらゆる神様の
御恵に感謝してきました。 さらにその感謝の念をあらわすため、
神社から戴いてきた御神札をより丁重におまつりするために
神棚(宮形・神殿)を設けるようになったのです。
・神棚(宮形・神殿)の設置
神棚の中央に宮形・神殿を据え、扉の正面に鏡を、左右に榊を立てます。
出来れば南向き、または東向きに設けることが好ましいでしょう。
どうしても神棚を設けることができない場合は、
南向きか東向きの壁や柱などの高い所に御神札を糊や両面テープなどで貼り付けます。
もしくは、タンスや書棚などの上に半紙を敷いてそこにおまつりするようにします。
また、一年間おまつりした御神札は、感謝を込めて神社に納めて、
また新しい御神札を戴きおまつりしましょう。
・御神札の祀り方
宮形(神殿)には、天照皇大神宮(伊勢神宮の御神札)を中心にして、
氏神様(地元の神様)、また崇敬する神社の御神札をおまつりします。
(図1参照)
1、 宮形・神殿に1つの扉(一社造り)のみの場合には、一番前が天照皇大御神、次に氏神様、その後方へ崇敬する神社の 御神札をおまつりします
2、 宮形に3つの扉(三社造り)がある場合には、中央に天照皇大神宮と、右に氏神様、左に崇敬 する神社の御神札をおまつりします(図2参照) 左右の扉が小さく中に御神札がおまつりできない場合には、一社造り同様に中央におまつりします。
図1
図2
お供えについて 神棚には毎朝お供え物をします。
お供えは米・塩・水などです。 お酒は、一日や十五日にお供えします。
お供えした物は、そのままにしないでお参りが終わったら下げましょう。
珍しい物や四季の初物を頂いた時は、そのつどお供えし神様の「お下がり」として
ご家族でいただかれると良いでしょう。
注連縄(しめなわ)の張り方
注連縄(しめなわ)は太い方を向かって右、細い方を左にして掛け、
紙垂(しで)をつけます。 地方によって形や張り方は様々ですので、
その地方の風習に合わせるのが良いでしょう。
お参りの仕方
宮形(神殿)への神様のお参りの仕方は、神社にお参りする時と同じ
「二拝二拍手一拝」で行います。
朝は家族の健康と安全を願い、一日の終わりには平穏無事に過ごせたことに
感謝してお参りします。
また、御祝いごとのあったときなどは、 そのつど神様にその喜びをお伝えし、神の恩恵に感謝してお参りしましょう。 榊について 神棚にお飾りする榊は、
神様の近くに青々とした緑を絶やさないようにするためのものです。枯れ始めましたら
取り替えていただければ 結構です。毎朝のお供えをさげる際に、
水器の水を両脇の榊立てに半分差していただくのが最も良いでしょう。